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2008年8月15日 (金)

仏壇の憂鬱 (4)

昔は、「お盆のときは、地獄の釜の蓋が開くので、川で泳いじゃならん」と年寄りに言われたもんですが、今はどうなっとんじゃい!

仏壇の製作は佳境に入っていますが、仏具もやっていますので、時間がかかっています。本日は高杯の製作中に刃物がロックしてバラバラに飛び散るというアクシデントがありました。クワバラ、クワバラ。老眼も挽き物には具合が悪いです。

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ところで、今回の仏壇、側板と天板、底板がブックマチングです。ブックマッチは、片面は木目が左右対称になるんですが、反対側は模様は合いません。座卓などの場合は、当然、表面が左右対称になるようにします。

そこで、今回の場合、ご先祖様や御本尊が主役なら内側にブックマッチングの面が来るようにしなくてはなりません。しかし、彼等が本当にお盆に帰ってくるかわからないし、現生の我々からすれば、目につく外装が美しい方がいいわけです。仏壇をマジマジと覗き込んで「内側にブックマッチングの手法が使われてますねー!渋いっすね~!!」なんて言う人は万が一もおりません。

今回の場合、和室の仏壇用のくぼみに収納されるので、内側にブックマッチングをもってきました。これとて、50年後には、どこに移されるかわからないので、正解なのかどうか・・・・?仏壇作りはいろいろと頭を悩ますことが多いのです。でも、わりと興味を持って製作できるのは、年取ったせいでしょうね。

*この仏壇シリーズは、ものがものだけに、施主様の了解を取って連載しております。

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コメント

内側ブックマッチの考え方、とても素敵です。ご本尊やご本尊とお会いする場を一番いいものにしたいです。仏壇の前で手を合わせた時、ご本尊、ご先祖様に感謝し、祈りの気持ちが高まることと思います。

投稿: Take | 2008年8月15日 (金) 23時25分

 私もお得意先から仏壇の話が出ています。実際に作るのはもうすこし先になりそうですが、喜良さんの作例を参考にさせていただきます。いつもだいたい「おまかせします」というお客さまなので、思いっきり私の作りたいように作ることになるでしょう。私自身はまったくの無神論者ですが、仕事としてはたしかに興味深いものがあります。

投稿: 木工房オーツー:大江進 | 2008年8月16日 (土) 07時37分

Takeさん、ありがとうございます。納期が延びていますが、怠けることはあっても、手抜きはないのでご安心下さい。

大江さん、仏壇を作るのは3つめなのですが、よく木工誌にでている様な奇抜なものでなく、シンプルなものを目指しています。かといって、洋風のシンプルなものはお客様も求めていないようです。

投稿: kira | 2008年8月16日 (土) 14時49分

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